今月のおみやげは、パソコンで<モンパリ>にアクセスして頂いている皆様に、ロートレックの「“ムーランルージュ ラ・グリュ” マウスパッド」です。
舞台はパリのキャバレー・ムーランルージュです。当時大人気だった踊り子ラ・グリュと、手前の大きなシルエットはヴァランタン、ふたりのダンサーが大胆かつ絶妙なポジションに配置され、画面左に明かりのイメージ、そして奥に観衆が効果的な黒い影で背景として描かれています。黒の線やシンプルに省略した表現、グラフィックな構図は、この時代にヨーロッパで流行ったジャポニスム、とりわけ浮世絵からの影響があったと考えられます。
Henri de Toulouse-Lautrec アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック(1864〜1901)は、南仏アルビの伯爵家に生まれました。少年期に両大腿骨を骨折したため、両脚の発育が停止。後に絵を学ぶためパリに上った際、自身が障害者として差別を受けたことも影響してキャバレーや酒場といった風俗世界に感情移入し、夜の華やかな世界に浸透していきました。
毎晩のように娼婦や踊り子をスケッチしていた折りの、1891年に行われた「ムーランルージュ ポスターコンクール」での勝利を機に、ポスター芸術界でスターダムにのし上がりました。その時のポスターが “ムーランルージュ ラ・グリュ” であり、またロートレックの記念すべきポスター第一作目なのです。
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