元大使夫人で、執筆家でもあるマダム・カトリーヌが紹介する
上質で、個性的なとっておきのパリ。




セ・サンパ
感じいい!親切!ちょっと贅沢!「セ・サンパ」とパリジャンは表現します。そんなサンパなパリを、ほぼ毎週更新でご紹介しています。
「パリのノエル」 (ノエル=フランス語でクリスマスのこと)  
2003.12backnext

昔々、
人は、地面を耕すようになってから、太陽の動きに従うようになりました。季節の移り変わりは'祭り'の時を決めました。冬至はとても大切な時でした。なぜならそれは自然がまた生まれ変わること、命の息吹を告げるからです。紀元4世紀のこと、異教の'祭り'に対抗して、キリスト教の教会はイエスの誕生日を決めました。(1月でなく、12月25日、冬至の頃、にです。)「イエスは人間を憐れみ、救うために地に降りられた」として'降誕'が祝われるようになりました。

この'祭り'は少しずつ喜び(ノエルの歌)や贅沢(プレゼントの交換、伝統料理の食卓、ぶどう酒や新しい衣服を買う)の象徴となりました。伝承に寄れば、ノエルの最初の歌は救世主の誕生という喜ばしいニュースを知らせる天使の歌だったようです。救世主はよりよい生活をもたらしてくださる。そしてそれは自然を賞賛するためでもありました。

三王は、生まれたばかりの神の子へプレゼントを持って来ました。あの、もみの木も11世紀に遡ります。それは天国の木、命の木でもありました。ビュッシュ・ド・ノエル(薪の形のクリスマスケーキ)は、暖炉に薪をくべて火をつけていた時代のもの。冬至には、暖かさも明るさも必要です。光は信仰です。イエスの生まれた馬小屋も異教徒の'舞台'に対抗するため奨励されました。そしてサンタクロース、それはもちろん聖ニコラウス。

そして、現代、

ノエルは世界中で祝われます。フランスでは今も、社会的地位や職業にかかわらず、家族が集まる祝祭日となっています。でも消費とはやり物好きの精神が象徴を独り占め。ノエルの祝祭は生活様式になりました。毎年、新しいノエルを演出しなければなりません。美しくあるには?どうやってテーブルを飾る?きらきら光る新しい洋服。自分風のフォアグラで、新しい料理。このフランスの繊細な味を、そして世界中の料理も取り入れて。どこのレストランもできるだけ洗練されたものをあっさりと、特別料理を用意しています。そして「旅先で過ごすノエルも楽しい」と言う方、旅行社は鎬を削っていますよ。テレビは特別番組で、世界中がノエルをどんなふうに祝っているか、紹介しています。

でも、世界では不幸なこと悲惨なことが、ノエルの時にも起こります。病気に苦しむ人、囚われ人。ノエルの祝祭が、ずっと昔からの、憐憫と希望とをもたらすという象徴を失わないために、多くの慈善団体が不幸な人々や、家族のない人々、病気の人々のために祝祭を企画しています。

今年は
どのシャンパンを選びましょう・・・
金と真珠のブレスレットのプレゼントがついた、「アラヤ1997年真珠特別樽」
キャビアと一緒に「ドン・ペリニャン・ペトロシアン」
それとも黒真珠をぶらさげた「シャルル・イドゥシック」

ビュッシュ・ド・ノエルを買うなら?
東京にもお店があるピエール・エルメ(サン・シュルピス教会のそば。ボナパルト通り72番地)ショーケースの中のトリュッフやビュッシュは宝石のよう。

そして、最近の話題のスポットは・・・
セーヌに面したデパート「サマリテーヌ」に買い物に行ったら・・・新しくお目見えのスシ・バー。
サン・ジェルマン・デ・プレなら、ジロデー・スープ・バー(プランセス通り5番地)でスープを試してください。
マドレーヌ界隈には新しい和菓子屋さん源吉兆庵(マドレーヌ広場17番地)ができました。
バカラの新しい美術館のレストラン「クリスタルルーム」(アメリカ合衆国広場11番地)の夢のような光の国に逃げ込んで・・・

でもやっぱり、
レストラン小切手(会社が、福利厚生の一つとして社員に配る食事券のこと)を寄付しましょう。「レスト・デュ・クール」(貧者のための炊き出し施設)においしい食事が提供できますから。

ノエルには、誰もが住みかを探します。真っ白い雪のような、あまく、やさしい居所を。

Joyeux Noel
カトリーヌ・ヴァン・モペス


 ショッピング街で真剣にプレゼントを選ぶ人


 ショーウィンドウは、クリスマスの雰囲気満載!
 個性溢れるデコレーションで購買意欲をそそります。



 恒例のシャンゼリゼ大通りのイルミネーション

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