セ・サンパ
感じいい!親切!ちょっと贅沢!「セ・サンパ」とパリジャンは表現します。そんなサンパなパリを、ほぼ毎週更新でご紹介しています。

田島宏先生 ご逝去 1 周忌 追悼特集

 日本のフランス語教育界の重鎮であられた田島宏先生が2004年2月4日、亡くなった。フランス語を学んだ人なら誰でも先生が中心になって編まれた「スタンダード仏和辞典」(大修館書店)や「現代仏和小辞典」(白水社)のお世話になったであろう。先生はフランス語学の優れた研究者であるばかりでなく、例えば、文体論などの幅広い文学的教養に立脚した授業で、フランス語学のみならず文学研究を志す学生たちにも、きわめて大きな影響を与えた。30余年の長きに亘って勤められた東京外国語大学やその後奉職された明治大学だけでなく、東京大学、東京教育大学、御茶ノ水女子大学、その他十数大学に於いて、また日本フランス語教育学会会長、日本フランス語フランス文学会会長として、フランスの言語、文化、文学の普及に多大な貢献をされた。その良き薫陶を受け、全国の大学でフランス語の教育・研究に携わる専門家は多数に上る。先生はまた、始めて30年の狂言や、一子相伝といわれる術も授けられた素人離れした能管など、日本古典芸術にも造詣が深かった。


 長く東京外国語大学フランス語学科教授として教鞭をとられ、日本フランス語フランス文学会会長も務められた田島 宏先生。1964年に同学科に入学した学生達の組織「メルシー会」は、2002年2月、その第1回会合にクラス担任であられた田島先生をお迎えした。先生の訃報がもたらされたのはそのわずか2年後である。
2004年4月、第2回会合は田島先生追悼に捧げられ、リーフレット『田島先生を偲ぶ』を作成・配布して在りし日の先生をそのお言葉やお写真で偲んだ。その際の参会者および関係者有志は、あらためて先生の学恩に感謝するため、追悼文をもちより、先生に捧げることとした・・・。
 
内田 博史
大川 起示子
大谷 尚武
金澤脩介
波多野 宏之
間山 周子
三澤 茂
富田 和義
西原是人
吉田 親幸
箱山富美子
各位敬称省略/五十音順


 
田島宏先生略歴
1923年 東京浅草にて出生
1944年 東京外事専門学校 (仏語部) (旧東京外国語学校)卒業
1949年 京都大学 (文学部言語学専攻)卒業
1951年 東京大学大学院(人文科学研究科仏文学)終了
1951- 84年 東京外国語大学教員
1984年 東京外国語大学名誉教授
1984年 明治大学(文学部)教授
1979−82年 日本フランス語教育学会会長
1985−89年 日本フランス語フランス文学会会長
2004年2月4日 逝去

著書その他
「スタンダード仏和辞典」大修館 (共著) 1957、増補改訂版1975
「スタンダード仏和小辞典」大修館 (共著)1959
「現代フランス語のできるまで − フランス語小史」白水社 (共著)1962
「新和仏小辞典」白水社 (共著)1973
「ヴァルトブルグ:フランス語の進化と構造」白水社 (共訳)1976
「フックス・ゴフィック:現代言語学の諸問題」三修社 (訳監修)1983
  その他、著書・論文・翻訳・書評など多数






 フランスと日本の架け橋|オリガス先生を偲ぶ

【net@nihon.sa】
Copyright (c)2002 NET@NIHON.All Rights Reserved
info@mon-paris.info