皆様、コンセイユ・デタという名称を聞いたことがあるでしょうか。コンセイユ・デタは現代の日本にはないもので国事院、参事院、又は国務院と訳したりしていますが、ここではそのままコンセイユ・デタのまま通します。この機関はル−ブル美術館のすぐ横にあるので、皆様の中にもああ、あれかと思われる方もいらっしゃるかと思います。リボリ通り側にパレ・ロワイヤル広場がありますが、その広場に面した建物がそれです。.ルイXIII世の時代に、彼の宰相であったリシュリュ−枢機卿が建てさせたパレ・カルディナル(枢機卿館)が幼いルイXIV世に遺贈されたため、パレ・ロワイヤル(王宮)と呼ばれるようになったのです。18世紀にはフィリップ・ドルレアンのものになり、建築家のヴィクト−ル・ルイが後ろの回廊部分を改造しました。有名な劇場、コメディ・フランセ−ズが横にあります。正面がコンセイユ・デタです。他の裁判所と同様,傍聴できるシステムがあり(金曜午後のみ)、審議の透明性を図っていることがわかります。身分証明書さえあれば入れますので、フランス語がよくわかる方は、歴史的建造物の見学も兼ねて傍聴してみてはいかがでしょう。
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コンセイユ・デタには二重の役割があります。政府の法案を国会(下院)に提出する前に、政府にアドバイスすることと、行政上の最高裁判所(大審院)の役割を担っているということです。つまり、個人又は企業と公機関の係争を調停する役割です。マダム・ボ−シェはコンセイユ・デタで係争局次長だった方です。今回はその方にお話を伺いました。
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