1、パリ商工会議所では、どんなお仕事をなさっていますか?
国際局日本課渉外広報担当ということで、会議やセミナーの企画や、日本のパートナーを探しているフランス企業のお問い合わせなどに対応しております。パリ商工会議所の国際局は、ほとんどが欧州、北米、南米などの地域別なのですが、日本と中国だけは、1国だけで独立した課になっていて、それだけ力をいれているということが分かります。日本課は4名のスタッフで運営しています。
また、日本課の中で、「日仏経済交流委員会」という協会を組織し、商工会議所会頭が自らこの委員会の会長になり、日仏の名だたる企業が会員となって、さまざまな交流活動を展開しています。日本への視察、商談旅行なども度々企画しています。
2、 現在のお仕事で、今まで日本で培われたキャリアや人脈が役に立つことでしょうね。
はい、フランス大使館や駐日EU代表部は、いわゆる官庁であり、外交や国間の交渉などの事項に関わっておりました。日産での経験は全く異なり、利益を上げることが重要な目的である企業ということで、別の意味での厳しさを大いに学ばせていただきました。最初の”官庁”時代にお世話になった方々が外交官としてこちらの大使館に赴任していらっしゃるし、”企業“時代に一緒にお仕事をさせていただいた方が、フランスに戻っていらして、日仏経済交流委員会のメンバーになってくださっており、一度築かれた関係は今でも続いており、ありがたく思っております。 |
パリ商工会議所について
http://www.ccip.fr
フランスの商工会議所は、任意加盟の日米のシステムとは違い、義務加盟組織です。
商工会議所が会社設立の登録先になっており、法人税の一部をいただく仕組みになっています。ナポレオン・ボナパルトによって1803年に創設されたパリ商工会議所は、欧州で第一の規模を持つ商工会議所で、現在パリ、イル・ド・フランスの3県(オー・ド・セーヌ、セーヌ・サン・ドニ、ヴァル・ド・マルヌ)に存在する31万社を管轄し、フランスのGNPの18%を代表しています。
活動としては、企業の経済活動の支援にとどまらず、グランゼコ−ル(エリート経営者を輩出するHECなど)や大学、料理学校やゴブラン織学校などの専門大学の運営や、パレデコングレ、ヴィルパントなどの展示会場の管理運営など、会議所自体が経済活動を行っています。
凱旋門に近いパリ商工会議所本部は、19世紀半ばに建てられたポーランド出身貴族ポトキ伯爵の元邸宅で、パリ市に歴史的建造物に指定されています。
そして、富永さんが働くレアール地区のブルス・ド・コメルス(LA BOURSE DE COMMERCE)も歴史的建造物。13世紀前半に、時の有力者ジャンU・ネスレによって建てられ、16世紀にはカトリーヌ・ド・メディシスにより所有、増築されました。18世紀には小麦を中心とする穀物取引所となり、1889年にブロンデルによって現在のドーム型の建物に改築されました。そして、1949年にパリ市によって、この歴史的建物はパリ商工会議所へとゆだねられ、国際局や知的所有権研究所が入っており、中心のドームでは頻繁に展示会が開かれております。 |