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2003.03 | back|next | ||
シンゲッティ 砂漠の隊商の町 モーリタニアのお医者さん、ドクター・バシール(Dr. Bechir Aounen)から素敵な写真が送られて来ました。 シンゲッティは昔からサハラ砂漠の隊商によって栄えた町。中でも「白い金」の異名を取ったモーリタニアの良質の岩塩はらくだに揺られて、この町を通り、はるか遠くの地まで運ばれました。ここはまた、学問の中心でもありました。有名なモスクがあり、神学者が多数集まり、コーラン学校があり、図書館には羊皮紙や、やしの葉に書かれた、古い宗教書が多数保管されています。 モーリタニアの首都ヌアクショットからシンゲッティに来る途中にアタールの町があります。ここはナツメヤシで有名。付近には、段丘の下にオアシスが点在しています。この段丘はいわば高原が幾層にも重なったもの。一つの段丘を登ると目の前に広大な平野が開けます。(この感覚は日本ではとても想像できません。) これらの段丘を上り、木が生えていない岩山も通ると、シンゲッティに辿り着きます。ここから先は、見渡す限りの砂丘。北に、西に、東に、どこまでもどこまでもサハラ砂漠が続きます。広大で、形容できないくらい素晴らしい景色ですが、反面、この町は砂に埋もれかけ、近代化の波に取り残されて、存亡の危機に瀕しています。昔の居住地区はほとんど廃墟と化し、貴重な古文書類は埃と砂にまみれています。 オアシスもサハラの砂の前進によって壊滅寸前。写真で幼木の葉に見えるナツメヤシは、実は高い幹の部分が砂に覆われ、一番上の葉だけが顔を出しているもの。写真に見るような伝統的な井戸で、なけなしの水を人力で汲み上げて、水遣りをしています。 |
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