パリで活躍する素敵な方々にインタビューし、それぞれの「モンパリ」をお聞きします。



セ・サンパ
感じいい!親切!ちょっと贅沢!「セ・サンパ」とパリジャンは表現します。そんなサンパなパリを、ほぼ毎週更新でご紹介しています。
「ミラベル Mira-Belle」帽子で世界一周とタイムトリップを 
2008.10

帽子アーティストのミッシェル
 モンマルトルと言えばサクレクール。サクレクールと言えば、メトロのアンヴェール駅(Anvers)で降りてまっすぐに歩いていくと有名な階段があります。そこを上がっていけばユトリロの描いた白い寺院があるのですが、そのメトロの駅からサクレクールに向かう途中、一つ目の道を左に曲がって暫く行くと小さな広場に出ます。アトリエ座という劇場がありますが、そのすぐそばに小さな帽子屋さんが昨年オープンしました。可愛らしくとてもモンマルトル的な雰囲気です。
 19世紀末からモンマルトルは芸術家やダンサー等芸術的ボヘミアンのたまり場になりました。今でも女優や歌手志望の若者や画家、いわゆる会社員ではないような人たちが多く住んでいる地区がモンマルトルなのです。この帽子屋さんの作品も一つ一つ心をこめて作られたものばかり。ミッシェルとピエール・マリーが店を采配しています。
■ Interview   

、まずミラベルという店の名前から教えてください。フランス東部名産のプラムの名前と同じですね。。
  ええ、そうです。ただ掛けことばになってまして、この美しい私を見て、という意味なのです。 belle というのが美しい人という意味で、 mira は見るということです。

2、 そういえば、瞠目する、目を見張る、という言葉はadmirationで確かに、miraという言葉が語根にありますね。素敵なネ-ミングですね。作品は手作りなのですか。
  一つ一つ心をこめて作っています。三人のア-チストが交互に作っています。

3、お店を見ると、レインハットからベレ-、夏の帽子から昔風のロマンチックなもの、ちょっと勇気の要るような芸術的なものまでバラエティに富んでいますね。
 ええ、本当に誰でも被れるようなものも必需品のようなものもたくさんあります。でもそういうものも裏に工夫を凝らしたりして店の雰囲気を出すようにしています。

4、とても凝ったものとかゴージャスなもの、芸術的なもの、いろいろありますがお値段はいくらくらいからあるのでしょうか。
  そうですね、ベレーとか夏の帽子、レインハットなど 40 ユーロくらいからあります。少しオリジナルなものとか飾りがついてくると 60-70 ユーロ、もちろん 200 ユーロ以上のものもあります。

5、こちらにあるものとか、まるで『ボヴァリー夫人』が被るような、ちょっと19世紀風なものとかありますが、こういうものを買う人もいるのですか?
  ええ、ここはモンマルトルで芸術家とか芸術的ボヘミアンが沢山住んでいる地区です。この地区では古くから良いものはもとより、少し風変わりのものでも独特の価値を見出して、そういうものを守っているというちょっと頑固な、そしていい面を持っているんです。向かいにはアトリエ座という有名な劇場があり、そういう俳優さんたちも来てくれます。ほら、この帽子とか『若草物語』に出て来る四人姉妹がかぶるような感じでしょう?

6、 本当にいろいろとバラエティに富んでいて、タイムトリップして世界旅行をしている気分になりますね。
  そうでしょう?ロシアの『アンナ・カレーニナ』になったり、パリジェンヌになったり、19世紀に戻ってみたり・・・。又最先端だったりとタイムトリップしたり、世界をめぐってみたり、いろいろなメタモルフォーズが可能なんです。勿論そういう凝ったものは 値が張りますので誰でも買える、という訳ではありません。ですから、リースも可能です。
 本格的な夏の帽子のシーズンは6月のディアナ賞という、 シャンティイ で行われる競馬から始まります。あのホイップクリームのクリームシャンティイのシャンティイです。シャンティイには美しい城があり、そのお城は姫路城と姉妹城になっているものですが、そこの有名な競馬場で行われる競馬がディアナ賞です。
 パリのロンシャン競馬場では冬シーズンの幕開けとして10月最初に凱旋門賞レースというのがありますがディアナ賞は夏のシーズンの幕開けといいうところですね。ですから、ストローとラフィアを使った帽子が中心で、パリ社交界のレディ達や馬主の夫人達がここぞとばかり、帽子で研を競い、大きいもの、派手なもの、エキセントリックなもの、実にさまざまな帽子が沢山見られます。これを見るだけでも行くに値しますね。
 お洒落な人は夏に関係するもの、競馬に関係するものと帽子に飾りつけたりするんです。そういう帽子に合わせ装いを決めています。そういう場合、帽子のリースをするわけですね。

7、 リース料はいか程でしょう。  
 70ユーロ位見ていただければ(2008年)

8、日本人は西洋の人と比べて頭が大きいのですが特別にあつらえは出来るのでしょうか。
 出来ますが、ある程度の調節はこちらで出来ます。こちらにいらっしゃる方でしたら注文していただくという事も可能ですが、日本にいらっしゃる方にはちょっと無理でしょう。

9、 防寒のベレー、夏の日除けのストローハットの他にも本当にいろいろ試したくなりますね。
 帽子は女性を美しく見せてくれます。そして帽子をかぶり、装いにあわせた靴をはくことでおしゃれは完成するのです。ちょっと帽子をかぶるだけでおしゃれが引き立ちます。人それぞれ似合う形とか、色とか違いますけれども、『私はこういうものは似合わないから』等と決め付けないでお店の人の進めるものをいろいろ試されたら、と思います。

10、これから冬のシーズンですが競馬とか一部の人たちだけのものでなく庶民のもので何かありますか。クリスマス用のものですか?  
 クリスマスは防寒以外には特別それ用のものをあまりかぶらなくなってしまいましたが、11月25日がカトリネット祭といって、25歳になってもまだ独身の女性が、針や針さしのついた帽子をかぶる習慣があって、そういうお祭りが残っていますね。独身のお針子さんが多かったのでしょうね。それから一般の人が帽子をかぶるのは身内の結婚式の時、結婚式は気候のいい春夏が多いのですが、やはり帽子を被ってピシリと決めます。皆さんどういうものが似合うかよく御存知でヴェールの付いたもの、トーク型、大きなカプリーヌ、三角帽のようなものいろいろですね。帽子を見るのが結婚式の楽しみ、という人もいます。

11、日本人も帽子は似合わない等と思わず冒険してみるべきですね。
 そう、日本人はエレガントで帽子が似合うのです。帽子をかぶることによって一層エレガントになりますから是非かぶっていただきたいですね。こちらはアートクラフトなので寄って見て下さい。


  ミラベル店内の陳列棚の様々な帽子




大きな花飾りのついた帽子


フェザーの天蓋なしの飾り


ミラベル開店記念パーティー時、 展示された
帽子を前にファンと談話するミッシェル。


Mira Belle
Chapeaux & accessoires de mode
Atelier - boutique
a Montmartre
6, place Charles Dullin
75018 Paris
Merto: Anvers
Tel: 01 42 52 00 11
http://www.mira-belle.fr
mira-belle-chapeaux@hotmail.fr

ミッシェルと広報担当のピエール・マリー



 モンマルトルのお祭りを主催

今日はどうもありがとうございました。
広報担当のピエール・マリー・デスノスさんにお話を伺いました。彼女はどういうものをかぶっても似合うので羨ましい限りです。皆様もモンマルトルに来たら是非寄ってみてください。

【back number】 vol.1 パリは私を放っておいてくれる街 平沢淑子さん
  vol.2 パリのエネルギー源は人間関係 芳野まいさん
  vol.3 エール・フランスパイロット 松下涼太さんに訊く
  番外編 ワイン評論家 “ジャン・マルク・カラン“に訊く
  vol.4 全てが絵になるパリの景色の中で 寺田朋子さん
  vol.5 マダム・ボ−シェに聞く
  vol.6 日仏交流の最前線で
  vol.7 パリで育ち、世界に羽ばたく 山田晃子さん
  vol.8 光に魅せられて 石井リーサ明理さん
  vol.9 音楽の都・パリのピアニスト ジャン・ルイ・ ベイドンさん
 

vol.10 光を求めて マリー・ジョゼ・ラヴィさん

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