パリで活躍する素敵な方々にインタビューし、それぞれの「モンパリ」をお聞きします。



セ・サンパ
感じいい!親切!ちょっと贅沢!「セ・サンパ」とパリジャンは表現します。そんなサンパなパリを、ほぼ毎週更新でご紹介しています。
「ポーリーヌ・パン」バッグ
クリエーションを支える人と人のつながり
 
その1 創業〜ブランドポリシー 2009.02

Clarisse Robinet-Dusserさん
  パリのおしゃれで粋な地区、マレ。
上品でおとなのファッションから、かわいくてキッチュなパリっぽい雑貨まで、小さくて個性的なブティック巡りがとても楽しい界隈です。そして、16世紀の貴族の邸宅が残る歴史地区でもあり、19世紀には東欧からの移民も多く住み、異文化色が濃い場所でもあります。
そんなマレ地区にショップを構えるバッグのブランド「ポーリーヌ・パン」は、<モンパリお買物倶楽部>のパートナーブティックです。フランス北部にある革製造のアトリエに、週数度も足を運ぶという忙しいパリジェンヌ、代表のクラリスさんにお話を伺いました。パリジェンヌ目線の“パリの楽しさ”も教えて頂きましたよ。
 ■ Interview

1、クラリスさんは、パリのご出身ですか?
 はい、パリ近郊のうまれです。学生の時、交換留学制度で、アメリカやシンガポール、日本などで数ヶ月ずつ過ごした経験があり、イギリスでも働いたことがあります。トータル2年間、海外にいましたが、それ以外はずっとパリで生活しています。

2、「ポーリーヌ・パン」ブランドは、どのように生まれたのですか?
 両親がマロキヌリ(皮革製品)のブランドと工場を所有していましたので、私は幼い時から、すでにこの世界に足を踏み入れていたようです。学生時代は、商業を専門に学び、その後、コミュニケーションやマーケティング、IT関係などの仕事をしていました。それから娘たちがうまれ、それを機に、本当に自分がやりたかったことを始めたくなりました。自分のため、そして自分と同じ女性のために何かやってみたくなったのです。両親はもう15年ほども前に工場を手放していますが、結果的には私が“文化相続”したような形ですね。

3、 パリのマレ地区とヴェルサイユ市にショップがありますが、この2ヶ所を選んだ理由は?
 マレ地区のシャルロ通りは、ずっと憧れを抱いていた場所なのです。家族のような温もりがある地区の、小さな通りです。皆がお互いによく知っていて、おしゃべりし合い、助け合う、まさにその空気感が、私がこの場所に魅かれる理由です。少し田舎ですが、“パリへの玄関口”ヴェルサイユにも同じ雰囲気があります。
このふたつの地区と街は、永い歴史があり、夢物語のような言い伝えが多く残る、そして人と人の距離が密であるという面で、とても似ているのです。

4、「ポーリーヌ・パン」というショップ名の由来は何でしょう? また、ショップのイメージカラーともいえるマゼンタ色に辿り着いた理由は。
  まず私が「ポーリーヌ」という女の子の名前が大好きということです!
初めは、この名前のアルファベットを組み合わせたデザインで、ショップロゴを作ろうと思いました。ロゴのアイデアは流れたのですが、名前がそのまま残ったのです。「フクシア」という濃いピンク色は、実際ポーリーヌ・パンのブランドカラーです。私は、やさしくて暖かく、力強くもある、なおかつ女性的な色を探していました。この色以外には在り得ないと思っています。

5、バッグの命名も凝っていますよね! どのように単語を選んでいらっしゃるのですか?
 自然発生的なんですよ。私はまずバッグのデザインをします。それから革や、布生地、色、モチーフなどを選んでいくのですが・・・そうしているとパッと名前が浮かぶのです。運命に導かれて、名前が決まっていくような感じです。バッグには女性の名前や、場所や街の名前などが多く付いていますが、色やモチーフが、さらに詩的で広がりのあるイメージを呼び起こします。(※バッグには、ビアリッツ、スカーレット、ミス・シャーリー、オデュッセイアといったように、人や街、書物の名前などが付けられています)

. 生地がしなやかで気持ちのよいレザーバッグ。カラーバリエーションも豊富で、使い勝手もバツグンです。どのようにデザイン・制作されているのでしょうか? また、レザーバッグと並んで大人気の、ビニールコーティングのコットンバッグは、生地がとてもポップでキュートですよね。モチーフ選びはどのようにされていますか?
 私が全てのモデルについてデザインをしています。そのデザインを元に、マレ地区のショップ兼アトリエで、クリエーターのアニエスが雛形を作成します。それから私が革や布生地の製造業者を訪ね、次のシーズンのための素材や色をじっくり選んでいきます。
ビニールコーティングバッグは全て、マレ地区のショップ兼アトリエで、アニエスが制作しています。革バッグは、高い評価を得ているアトリエに、全コレクションにおいて製造をまかせています。
ビニールコーティングバッグに使うプリント生地は、もともと家具用布地で、複数の業者から取り寄せています。これらの布地に塩ビ加工を施して、コーティング生地にします。モチーフや色の選択は、同シーズンの革のコレクションで使用する色味と密接に関連しています。モチーフの現れ方が一様ではないので、バッグは一点ずつとても個性的になり、お客様に幅広い選択をしてもらえるようになるのです。

7、ポーリーヌ・パンのバッグを持つ女性に、どのようなイメージを期待しますか?
 私の女友達のように、アクティヴでハッピーで、ハイセンスな格好よさが具わっていて、「皆とそっくり同じことはやりたくない」という熱望を持っている女性のイメージです。


 ポーリーヌ・パン  シャルロ通り店


 革バッグ


  クリエーターのアニエス


  ビニールコーティングバッグ


   ビニールコーティングバッグ


その2  パリジェンヌ、パリの生活。 

【back number】 vol.1 パリは私を放っておいてくれる街 平沢淑子さん
  vol.2 パリのエネルギー源は人間関係 芳野まいさん
  vol.3 エール・フランスパイロット 松下涼太さんに訊く
  番外編 ワイン評論家 “ジャン・マルク・カラン“に訊く
  vol.4 全てが絵になるパリの景色の中で 寺田朋子さん
  vol.5 マダム・ボ−シェに聞く
  vol.6 日仏交流の最前線で
  vol.7 パリで育ち、世界に羽ばたく 山田晃子さん
  vol.8 光に魅せられて 石井リーサ明理さん
 

vol.9 音楽の都・パリのピアニスト ジャン・ルイ・ ベイドンさん

 

vol.10 光を求めて マリー・ジョゼ・ラヴィさん

 

vol.11 「ミラベル Mira-Belle」帽子で世界一周とタイムトリップを

  vol.12 愛する街パリを描き続ける 赤木曠児郎さん
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