80年代末バブル華やかし頃の東京で、エルという、インディーのレーベルが大いに注目を集めたことがありました。イギリスのレーベルなのにフランス語のネーミングだったり、インストだけの架空サントラのようなアルバムや、ラインアップの殆どがシングルだったり、ドフトエスキーを先祖に持つ女性ボーカリスト(きっと嘘にきまっているのだが)がいたり、ちょっとひねくれたポップス感覚が新鮮でした。そのエルのアーティストの中で中心的存在、来日も果たしたのがルイ・フィリップ。その彼の、お久しぶり、新作は相変わらずの、アコースティックホップ。懐かしい美声と、パステルトーンなバックが春風のように爽やか。