文化の都パリは健在！様々な文化が同居する
パリはミックスカルチャーのメルティングスポット。


セ・サンパ
感じいい！親切！ちょっと贅沢！「セ・サンパ」とパリジャンは表現します。そんなサンパなパリを、ほぼ毎週更新でご紹介しています。
　　
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パリの音楽シーン　2004年8月〜10月　 (2004.8)
〜また二つ、巨星逝く、、、、、 　 セルジュ・レジアニとサッシャ・ディステルの死〜

　毎年、夏のヴァカンスシーズンは、パリの街には、パリジャン・パリジェンヌはいなくなってしまいます。みんな、ヴァカンスに出かけ、パリには観光客が溢れています。ということで、コンサートも、７，８月はパリでは殆どなく、南仏ですとか、フランスの地方都市で行なわれています。
　この夏は、二人の有名な歌手が競うように、亡くなりました。モン・パリのサイト訪問者の皆さんには馴染みがないかもしれませんが、今回は、コンサート情報の代わりにその二人のお話です。
　一人は、セルジュ・レジアニ。
　彼は、１９２２年　北イタリア生まれで、両親ともイタリア人。
不況のため、パリに出て美容院を営む両親のもと、芸人に憧れた彼は、映画養成所や演劇学校で学び、演技力を見につけていきます。そこでの修行と、彼の強烈な個性が実を結び、１９４０年、ノクタンビュール劇場の舞台に立ったレジアニは、かの有名なジャン・コクトーの絶賛を浴び、一躍その名を知られるようになります。４２年には映画に進出、「光なき星」や「夜の門」などで、イヴ・モンタンとも共演したり、数多くの作品に出演して、名声を確立します。その、俳優として栄光を極めた彼が、４０歳を越えてから、突如、歌手に転進するんです。
そのきっかけは、、、ある日、シモーヌ・シニョレの家で、ボリス・ヴィアンの曲を歌った彼の見事な歌声に、レコーディングの話がトントン拍子に進み、、、（羨ましい話ですね、、）、、、あれよあれよと言う間に、歌手としても一流になってしまった、とのこと。ジョルジュ・ムスタキの作品や、ジャン・ルー・ダバディ作詞、ジャック・ダタン作曲のコンビによる作品を多く歌い、その、人生を知り尽くした説得力に富んだ語りかけは、人々を深く感動させたそうです。
しかし、その後、音楽の才能にも恵まれ、一緒に舞台でも歌っていた、最愛の息子の自殺という出来事に、見るも無残に打ちのめされ、再起不能と囁かれる時期もありましたが、８９年には４日間、オランピアの舞台に立ち、観客に熱狂的に迎えられました。昨年も、１０月に２日間、なんと８１歳でオランピアでリサイタルをされ、多くのファンが詰め掛けました。私は、残念ながら、そのコンサートに行けず、これで永遠に、生でレジアニさんの舞台を見る機会はなくなってしまいました。今頃は、天国で、息子さんと音楽談義をされているのでしょうか、、、、。

　もう一人は、サッシャ・ディステル。１９３３年パリ生まれ。
レイ・ヴェンチュラの甥にあたり、コンセルバトワール出身の母の影響でピアノを習うのですが、性に合わず、アンリ・サルヴァドーレに憧れて、ギターに夢中になります。サンジェルマン・デ・プレ界隈のライブハウスで演奏活動をしながら、めきめき腕を上げていき、音楽雑誌が、彼をフランス随一のジャズ・ギタリストに選出します。叔父がレコード会社を創設すると同時に、彼は歌も歌うようになり、歌手として、スターダムを駆け上がって行きます。英語の曲を仏語訳で歌うことも多く、特にイギリスでの人気が高いのですが、世界中で活躍されていました。７０年の大阪での万博にも、来日されたとか、、、（知らなかった！）整った甘いマスクに、ジュリエット･グレコも夢中になった時期があったとか、、、、。
私は、この夏、日本でコンサートをしていたのですが、その留守の間の出来事として、パリのフランス人の友人達は、いの一番に、この二人の偉大な歌手の死を教えてくれました。合掌。

　なくなった二人のコンサートを生で聴く機会は、残念ながらなかったのですが、2004年２月にジュリエット・グレコ、４月にシャルル・アズナブール、2002年の１月には８４歳の時のアンリ・サルバドーレのコンサートに行き、そのエネルギーに圧倒されてきました。この３人とも、亡くなった二人とあまり年齢は変わらないのですから、くれぐれも、身体に気を付けて、少しでも永く、ステキな歌を聴かせてほしいと思います 。
（セルジュ・レジアニとサッシャ・ディステルの生い立ち等は、薮内　久氏の「シャンソンのアーティストたち」を参照させていただきました。）
　
　

◆ ◆ Ayumi のパリ2004年８〜１０月のおすすめコンサート ◆ ◆
  8/1〜8/31 Ａｔｒｉｕｍ　Musical　Magneにて、
19h30〜「Paris　en　chansons」のコンサート
21h30〜「Les　plus　grands　succes　de　la　chansons　francaise」
　　　　　 のコンサート
＊19h30からは、パリのいろんな地名にまつわるシャンソンを、物語風に、 21h30からは、過去にヒットした有名なシャンソンのコンサートを、 いずれも男女二人の若いフランス人歌手が歌います。
パリらしい、小粋なコンサート。日本からの旅行者には、ピッタリの、 有名なシャンソンの数々。楽しめますよ！
  
　 9/3〜9/12

パレ・デ・コングレで、シャルル・アズナブールの
追加特別コンサート。
＜PALAIS　DE　CONGRES＞ 2 Place de la Porte Maillot（１７区）
　 METRO:Porte Maillot

 　
　 9/28〜10/10 パレ・デ・コングレにて、シルヴィー・ヴァルタンのコンサート。
 　
　 9/29〜10/9 センティエ・デ・アールにて、ブルーノ・ブレルの
コンサート。
ジャック・ブレルの甥っ子にあたるブルーノ・ブレル。おじさん譲りの感情たっぷりの歌を聞かせてくれます。
<SENTIER DES HALLES> 50､rue d'Aboukir 75002 Paris
　 METRO:Sentier
　
　 10/6〜11/7 オランピアにて、ミッシェル・サルドーのコンサート。
<OLYMPIA> 28､bd　des Capucines 75009 Paris
　 METRO:Opera
 　
　 10/14〜10/16 グラン・レックスにて、パトリシア・カースのコンサート。
<GRAND REX> 5､bd Poissonniere 75002 Paris
 　
　 10/19〜11/4 ラ・シガールで、ヴァンサン・ドレルムのコンサート。
<CIGALE>120､bd de Rochechouart 75018 Paris
　 METRO:Pigalle
 　
　 11/16〜11/18 カジノ・ド・パリで、ジュリエット・グレコのコンサート。
<CASINO DE PARIS>16､rue de Clichy 75009 Paris
　METRO:Trinite　
 　
　 11/25 ゼニットにて、ベナバールのコンサート。
<ZENITH> 211,av Jean Jaures,Parc de Villette 75019 Paris
　METRO:Porte de Pantin
 　
　 　 　 　
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