文化の都パリは健在!様々な文化が同居する
パリはミックスカルチャーのメルティングスポット。




セ・サンパ
感じいい!親切!ちょっと贅沢!「セ・サンパ」とパリジャンは表現します。そんなサンパなパリを、ほぼ毎週更新でご紹介しています。
  
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《LA MOME》 愛と悲劇のシャンソンの女王、エディット・ピアフ
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《LA MOME》  愛と悲劇のシャンソンの女王、エディット・ピアフ

  フランスが世界に誇るシャンソン歌手、エディット・ピアフの激動の人生を描いた映画『ラ・モーム』が封切られました。ピアフのことを知らなくとも、ひょっとしたら越路吹雪や美輪明宏が歌う『愛の讃歌 (Hymne a l'amour)』をご存知の方がいらっしゃるでしょう。『ばら色の人生 (La vie en rose)』もピアフの代表曲ですが、今日も多くのミュージシャンによってカバーアレンジされて歌われています。  激しく背徳的な愛を歌うピアフの、その生涯もまた波乱に満ちており、世界的名声を得た一方で必ずしも幸福ではなかったかもしれません。
 1915年、パリ貧困区のベルヴィルでエディット・ピアフは生まれました。両親の愛に恵まれなく、3才頃には父方の祖母が営むノルマンディーの売春宿に預けられました。少女期にはサーカス芸人の父親と生活をするようになりますがその後衝突が絶えなくなり、父親と距離をおきながら路上で歌うようになりました。16才で女の子を出産しましたが、2年後に脳膜炎で亡くしています。この頃にはすでにアルコールに溺れるようになっていました。  転機は1935年、20才の時に訪れました。キャバレーのオーナー、ルイ・ルプレが、ストリートシンガーであった彼女の才能を見出してデビューのきっかけを作ったのです。ちなみにピアフの本名はエディット・ジョヴァンナ・ガシオンですが、弱々しい小鳥のように小柄なエディットに「la Mome Piaf (ラ・モーム・ピアフ)=小さなスズメ」という愛称を与えたのは他ならぬルイ・ルプレでした。  ファーストステージの成功の後、レコーディング、著名人たちとの親交、グラミー賞受賞、ヨーロッパ各地やニューヨーク、メキシコなどでの公演、と華々しい活躍を遂げます。プライベートも波瀾万丈で、2度の結婚の他に恋愛も多く、とりわけボクサーのマルセル・セルダンとの狂おしいほどの恋愛はピアフの生涯に重大な影響を与えました。その出会いからわずか2年後、彼がピアフに会いに行くために乗った飛行機が事故に遭い帰らぬ人となり、この別れはピアフに大きなダメージを与え、その後重篤なモルヒネ中毒に陥るきっかけになってしまいました。  最期は立っているのも侭ならないほどの体と闘いながら、ステージやレコーディングへの執着を捨てませんでしたが、1963年に48才で亡くなりました。

ピアフの墓
 エディット・ピアフを演じたMarion Cotillard マリオン・コティヤール(1975年〜)は、女優の母と監督の父を持ち、幼い頃から芸術環境に身を置いていました。『TAXI』シリーズや『銀幕のメモワール』『ビッグ・フィッシュ』などの出演、2004年の『ロング・エンゲージメント』ではセザール・助演女優賞を受賞している実力派です。今回の情熱的でセンシティブな演技について「”アクション”がかかった瞬間に自分の知らない声が内側から湧いてきた。役作りのためにしたことは、エディット・ピアフを追究すること;膨大な資料に目を通し、録音音声を聞いて、自分に浸透させること。真似できないと最初からわかっていたけれど、ピアフが存在できるスペースを、私を消してしまうことなく私の中に作ることが目標だった」と話しています。「そこにまさにピアフがいる」「感動で胸が震える」と、各方面から素晴らしい賛辞を得ています。共演の俳優陣も豪華、パスカル・グレゴリー、クロティルド・クロー、エマニュエル・セニエ、ジェラール・ドパルデューらが脇を固めます。  監督のOlivier Dahan オリヴィエ・ダーン(1967年〜)は「クリムゾン・リバー2」の監督として日本では知られています。「ピアフは歌にかける情熱と人生の間に全く境界を作らなかった人で、自分にとっては完璧なモデル。伝記映画を作るつもりはなく、うわべでない、ありのままのピアフ像を描き出したかった」と語っています。
 ステージ上でライトを全身に浴びるピアフを、後ろから捉えるショットがとても印象的。目映いばかりの栄光と、それに負けない情熱と愛で生き抜いたピアフのパワーに圧倒される一本です。上映後、館内は拍手に包まれました。
 

◆ ◆ 市内の主だった映画館で2月14日より上映中◆ ◆
(上映時間 2h20)
*上映開始時間は2月20日現在のもので、変更の可能性もあります
  Paramount Opera
2 Boulevard des Capucines 75009
13:30 16:10 18:55 21:35(土曜日は00:15も)
 
  Gaumont Opera(Premier)
32 rue Louis Le Grand 75002
13:00 15:50 18:45 21:40(日曜日は10:30も)
アクセス;メトロ3・7・8番、RER・A線 オペラ駅より徒歩3分
 
 
 

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