文化の都パリは健在!様々な文化が同居する
パリはミックスカルチャーのメルティングスポット。




セ・サンパ
感じいい!親切!ちょっと贅沢!「セ・サンパ」とパリジャンは表現します。そんなサンパなパリを、ほぼ毎週更新でご紹介しています。
  
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パリの音楽シーン 2004年3月〜5月  (2004.3)
〜フランス・シャンソン界の重鎮たち、
人生の厚みを感じるその歌声〜

 2004年3月4日早朝、フランス・シャンソン界を代表する歌手、クロード・ヌガロが癌のため、この世を去った。テレビでは、軒並み彼の追悼番組を組み、毎日のように、彼の歌声が流れている。クロード・ヌガロという歌手は、日本ではあまり知られていないかも知れないが、フランスではとっても有名な歌手だ。そういう私も、こちらへ来るまで、あまりよく知らなくて、でも、パリに来て早々の2001年の秋、オランピアで行われたクロード・ヌガロのコンサートへ行き、その美しい歌声と質の高い音楽・ジャージーなセンスの良さに驚いたものだった。
その後、私がキャバレーで歌い始めると、そのヌガロが、キャバレーのすぐ隣に住んでいて、時々、ふらっと現れては歌って帰る、という話をよく聞いた。(かなりお酒をたしなまれていたらしい。)残念ながら、私はその現場に出会わなかったので、彼と直接話をする機会はなかったが、、、。
 ヌガロは、1929年、トゥールーズ生まれ。新聞記者だったが、自作の曲を歌手に提供するためパリに出てきて、その後、自ら歌い始める。オペラ座の専属バリトン歌手だった父親の血を引き、クラシックを身につけていたヌガロは、瞬く間に、ヒット曲を連発していく。曲は、よりジャズに傾倒して行く。そして、彼の一番すごいところは、多くの歌手が、昔ヒットした曲で歌いつなぐところを、彼は、どんな時期でも、曲の質を落とすことなく、現在まで歌ってきていることだ。74歳の死は、あまりにも早すぎるとは言えないかもしれないが、彼の活躍を考えると、まだまだ素晴らしい曲をいっぱい聞かせてくれただろうに、と惜しまれてならない。私の周りのミュージシャンにも、彼の人気は高く、皆、その訃報に接し、がっくりきている。

新聞の一面での訃報。 「詩人の死」 「フランス全土が泣いた。
 ヌガロが亡くなる少し前、2月の終わりに、私は、もう一人の偉大な歌い手、サンジェルマン・デ・プレの女神、ジュリエット・グレコの5年ぶりのコンサートへ、オランピアへ出かけた。コンサートの前一週間には、テレビに多数出演し、コンサートについて語るグレコを見ていたが、はっきり言って、「かなり年をとったなあ、、、」という印象で、話し声ももごもごして、なんだかよくわからないし、コンサート自体もあまり期待してはいなかった。しかし、しかし、コンサートが始まると、テレビでもごもご話していた人とは別人のように、はっきりとした歌声。美しい表現、舞台。さすが、デ・プレの女神。若い頃、本当に美しかった彼女も、今では、ちょっと、妖怪の感もあるが、だから余計、迫力を感じる。人生の年輪をひしひしと感じる。バンジャマン・ビオレやミオセックなどの今、流行の歌手達の楽曲で、新アルバムを発表し、今も前向きに、挑戦的に活躍するグレコ。今年、76歳とはとても思えない元気さだ。
*オランピアでは、なんと、私のすぐ前の席に、バンジャマン・ビオレが座っていた!少女漫画に出てくる男性のような端正な顔で、微笑まれてしまった私は、とろけそうであった、、、、たとえ、彼の隣に美女がいて、あつあつだったとしても、、、、あーあー)

 さてさて、最後に、またまた偉大な歌手、今度は、フランスが誇る世界的な歌手、シャルル・アズナブールの話題。アズナブールといえば、日本にもファンが多いが、その彼が、4月17日から5月17日まで、実に一ヶ月間、パレ・デ・コングレでコンサートを開く。グレコのように、3日間でもすごいと思うのに、アズナブールは、一ヶ月間も、しかも会場もオランピアよりずっと広いパレ・デ・コングレだ!今年、80歳になろうとするアズナブール!すごいとしか言いようがない!!このコンサートには、日本からも、多くのシャンソン愛好家達がツァーを組んでやってくるそうだ。アズナブールは、本当に衰えを知らない歌手。今回のコンサートも、何年ぶりかはわからないが、毎年コンサートを開いているわけではない。しかし、テレビ等には、よく出演されていて、また、新曲もコンスタントに発表されていて、いつの時代も活躍している歌手だ。(この「いつの時代も活躍する」というのは、本当に大変な、偉大なことだ。)したがって、若者から年長者まで、多くのフランス人に尊敬されている。そのアズナブールのコンサート、今からとっても楽しみにしている。

 
 

◆ ◆ Ayumi のパリ2004年3〜5月のおすすめコンサート ◆ ◆
  3/2〜3/13

オランピアにて、エディ・ミッチェルのコンサート。
<OLYMPIA>28、bd des Capucines 75009 Paris

 
  3/17〜4/11   サル・ガヴォーにて、ジュリエットのコンサート。
現代の歌姫、ジュリエット。ふくよかな身体がチャーム・ポイント?エスプリの効いたステージ、歌は最高!必聴。
 
  3/23〜3/28 オランピアにて、エチエンヌ・ダオのコンサート。
 
  4/1 トリアノンで、アラン・オーランシュのコンサート。
<TRIANON>80、bd de Rochechouart 75018 Paris
 
  4/5 カフェ・ド・ラ・ダンスで、エンゾ・エンゾのコンサート。
<CAFE DE LA DAMSE>5、Passage Louis Philippe 75011 Paris
 
  4/14〜4/15 シルク・ディヴェールで、レ・ミタ・リツコのコンサート。
日本人みたいな名前ですが、違いますので、念の為。
人気のロック・グループ。
 
  4/17〜5/17 パレ・デ・コングレで、シャルル・アズナブールのコンサート。
<PALAIS DE CONGRES>   
2 Place de la Porte Maillot(17区)
METRO:Porte Maillot 
 
  5/3 テアトル・デゥ・パレ・ロワイヤルで、クリストフ・ミオセックのコンサート。  
  5/3〜5/10 オランピアにて、M(エム)のコンサート。
<OLYMPIA>28、bd des Capucines 75009 Paris
 
  5/11 ゼニットにて、トマ・フェルセンのコンサート。
<ZENITH>211,av Jean Jaures,Parc de Villette 75019 Paris
 
  5/11〜5/13 トリアノンで、カーラ・ブルーニのコンサート。
アルバムがヒットして、アンコールに答えてのコンサート。元トップモダルの彼女は、見ているだけでも、ため息、、、、。
<TRIANON>80、bd de Rochechouart 75018 Paris
 
  5/11〜5/13 フォーリー・ベジェールにて、レジーヌのコンサート。
今年は、往年の大スターが、ニューアルバムを作る年みたいです!
<FOLIES BERGERE>32、rue Richer 75009 Paris
 
       
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