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2003.12.01 |
BOTTICELLI ボッチチェリ展 |
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「ロレンツォ豪華公からサヴォナローラまで」という副題がついた、世界で初めての大規模なボッチチェリ展が10月からパリで始まっています。プライベートコレクションをも含む20数点の作品に、フィリピーノ・リッピやピエロ・ディ・コジモの作品レオナルド・ダ・ヴィンチのデッサンなどを加えて並べることで時代とボッチチェリの画業の変遷を私たちに示してくれました。
アレッサンドロ・フィリペーピというのがボッチチェリの本名です。イタリア語の「小さな樽」を意味する「ボッチチェリ」は元は兄につけられたあだ名でしたが、いつの頃からか、彼がそう呼ばれるようになりました。フィレンツェの皮なめし職人の末っ子として1445年に生まれたボッチチェリは病弱でしたが、早くから絵の才能を見せ、19歳の時(1464)にフィリッポ・リッピの工房に入ります。22歳(1467)の時にはヴェッロキオの工房(後にレオナルド・ダ・ヴィンチが入門)で助手を務めるほどの画家となり、1470年25歳で独立しました。彼の工房にはフィリピーノ・リッピ(フィリッポ・リッピの息子)など大勢の弟子が集まり、ボッチチェリの全盛時代の幕開けです。ローマ教皇に呼ばれ、システィナ礼拝堂の壁画を描きにローマへも出かけました。しかし、数多くの栄えある画業にもかかわらず、晩年は他の画家たちから注目を浴びることもなく、1510年、65歳で人知れずこの世を去ります。彼の絵画が再び見出されたのは19世紀になってからのことです。
今回の展覧会の会場は4室に分かれており、私たちが最初に出会うのは35歳頃(1480-1)、一番油がのり、作風が完成した頃のテンペラ画『幼子を礼拝する聖母子と洗礼者ヨハネ』。第一室にはその他、初期の頃の作品が並び、花開くルネッサンスの直前の息吹を感じさせます。その後第二室ではメディチ家の興隆とともに大作家となったボッチチェリ、そして第三室は彼とレオナル・ド・ダヴィンチのデッサンの違いを見せながら、サヴォナローラの影響を受けて昔ながらの宗教画に行き着く第四室への導入となっています。
ボッチチェリの「ヴィーナス」や「春」に会うにはもちろん、フィレンツェまで出かけなければなりません。でも、ボッチチェリを知りたいなら・・・リュクサンブールです。 |
Musee de Luxembourg(リュクサンブール美術館)
19 Rue de Vaugirard, 75006 Paris
2004年2月22日まで
月・金・土・日(11:00−22:30)
火・水・木(11:00−19:00)
入場料:9ユーロ(26歳以下6ユーロ、8〜12歳4ユーロ)
メトロ:St Sulpice、 Odeon
(同展覧会はパリの後、04年3月から7月まではフィレンツェで開催予定) |
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