そんな「負」のイメージが強く、ミステリアスな印象のスーティンに対する世間の偏見や誤解を解くためにキュレーターは今回の、おそらく最初で最後であろう作品展を決めたという。80近い作品のうちほとんどがこの機会に修復され、初公開されたそうだ。
恥ずかしながらもそれまでスーティンを知らなかった私が、彼の作品を見た第一印象は「歪んだ線の印象派」。人間や風景を描く線は常にぐにゃりと歪んでいて、皆一筋縄ではいかなそうな印象を与える。しかし、強烈だからといって、自己満足的に暴走しているわけではない。計算された色使いやバランスは、暗さの中にも暖かさや穏やかさを感じるし、やはり一流の画家なんだと賞賛せずにはいられない。個人的にはとても好きな画家となった。
モジリアニやセザンヌが好きな人には特におすすめしたい。彼らとの共通点や相違点を照らしながら鑑賞するのも非常に興味深いからだ。 |
Vue de Cagnes, c 1922-1923
Huile sur toile
60,5 x 72,5 cm
Musée des Beaux Arts de la Chaux de Fonds, Suisse
Collection René et Madeleine Junod
© La Chaux-de-Fonds-Suisse Photo : Pierre Bohrer
© ADAGP, Paris 2007
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