2人のテクニックと世界観を少しだけご紹介しましょう。
まず最初に私たちを迎えてくれる、まるで炭焼きのように真っ黒な小物入れや衣装戸棚、巨木の根。これらは自然の造形物や日用品を、まるごと型取りした中に人工ゴムを流し込んで作られているものです。身近に使われる原料を自然や大量生産製品に置き換えることによって、私たちの感覚の中にある "モノに対する先入観" を狂わせてしまいます。
ガラスに反射したシルエットのような画像が写り込んだ、幻想的でロマンチックな花やキノコの写真は、偶然の合成によってできあがっています。コンビのひとりが撮影した画像に、打ち合わせなく、もうひとりが重ね撮りするという方法で1枚に収められました。平凡な自然の風景が、非現実で美化されたイメージにすり替えられています。
とりわけ圧巻なものは、ズラリと並んだ100体ほどの粘土彫刻。「突然の概観」と題されたこのシリーズは、ほとんどが30センチ四方に収まるような小さな作品です。子どもの粘土遊びのような一見ナイーブで楽しい造形は、タイトルを見るとまた「ふふ・・・」と笑ってしまいます。例えばギターを抱えて歩く小さな人物に付けられたタイトルは、「 "I can't get no satisfaction" を作曲し、満足して家に帰るミック・ジャガーとブライアン・ジョーンズ」。人類史上、重要であったり、そうではなかったりした出来事を、宗教、おとぎ話、科学、スポーツ、音楽・・・といった色々なテーマを通して切り取り、ユーモラスに描き出しています。