17世紀、これをオランダの時代と言わずして、何と言えばよいのか・・・
「レンブラントからフェルメールまで」という副題のついた展覧会がパリのピナコテークで開催されている(2010年2月7日まで)。
特別に絵画に興味を持っていない人でも、レンブラントの名前は知っているに違いない。光と影を巧みに使って人間の内面を描き出した、あのレンブラントだ。1606年ライデンに生まれ、アムステルダムで活躍し、多くの自画像でも有名な人。
そして、1632年デルフトに生まれ、生涯にさほどたくさんの作品を残しはしなかったが、何気ない日常風景に静謐で、崇高なイメージを醸し出す作品が、世界中の人から愛されるようになった、フェルメール。
彼らが、同時期のオランダで活躍していたのは、偶然の賜物なのだろうか。
この時代、政治的にも宗教的にも、さらには社会的にも独自の環境にあったオランダでは、王侯貴族ではなく、富裕層が文化を下支えした。他の国にさきがけて、風景画、静物画、風俗画などのジャンルが花開く。
二大巨匠のみならず、ロイスダールやフランス・ハルス、ヤン・ステーンなど、アムステルダム国立博物館からやって来た数多くの作品が、この黄金時代の魅力をあますところなく伝えている。
オランダ絵画早わかり一覧・・・のような、凝縮された企画。絵画鑑賞の趣味を持たない方々も是非、足を運んでいただきたい。
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La Lettre d'amour
Johannes Vermeer
huile sur toile, 1669-1670 (ca.)
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