1951年、南仏の街アルルに生まれたラクロワは、非常に上品な着こなしを好むハイセンスな家庭に育ちました。美術やモードへの関心が高い家族の影響もあり、ラクロワは少年期より、バルセロナ、ヴェネツィア、ロンドンなど異国の地に憧れを抱いたり、美しい色彩に興味を持ったりしていました。1969年からモンペリエやパリで美術史を学び、美術館学芸員を目指しますが、やがてモード関係のジャーナリストに出会ったことがきっかけとなり、1981年にジャン・パトゥのメゾンに入りました。その瞬間から、”ラクロワ・モードの歴史” が始まったのです。 ラクロワのインスピレーションの源となってきたものは、故郷の南仏プロヴァンス地方を始め、カマルグ地方、セヴェンヌ地方、スペイン、ジプシー、闘牛などからイメージされる熱く強い色彩、そして、18世紀から20世紀までに渡り着用された民族衣装や伝統装束、また、おとぎ話の世界などです。ラクロワの象徴ともいえる、コントラストの強い異質のスタイルを大胆にミックスさせるクリエーションは、服に対する常識を超越し、時に非常に奇抜な作品群を提案し続けてきました。オートクチュール、プレタポルテ、オペラの舞台衣装、企業制服、さらにインテリアデザインや車両デザイン、イラストレーションなど、今やモードに制限されない幅広いジャンルで、ラクロワは輝き続けています。 今回のエクスポジションは、ラクロワのオートクチュールから80点と、美術館の膨大なコレクションの中から厳選された、総計400点余の作品から構成されています。<チェック> <ストライプ> <水玉模様> <花柄> <キルト> <ツイード織> <グラフィック> <市松模様>・・・などといったテクニックやテーマごとに、また、黒と白を含む様々な色ごとに細かく分類されました。各カテゴリーに寄せるラクロワの言葉は単なる解説ではなく、子どものころの小さな記憶や色に対する印象、芸術に向き合う姿勢など、多方面からの切り口となっています。かつて美術館学芸員を志した “美術史家” としての確かな知識とラクロワの主観が満ち、単なる回顧展に留まらない「空想美術館」ができあがっています。
Christian Lacroix. Histoires de Mode 会期:2008年4月20日まで 会場:Les Arts Decoratifs, Mode et Textile, Publicite 装飾芸術美術館 107, rue de Rivoli 75001 TEL:01 44 55 57 50 www.lesartsdecoratifs.fr 開館時間 ■火〜金曜:11〜18時(木曜は21時まで) 土・日曜:10〜18時 休館:月曜 料金:一般8ユーロ、18歳以下無料、他一般8ユーロ、18歳以下無料、他 アクセス ■メトロ Palais Royal-Musée du Louvre(パレロワイヤル・ミュゼ・ドゥ・ルーヴル)もしくはTuileries (テュイルリー)